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2004年10月10日日曜日

イタリア紀行 その12「ガッラ・プラチーディア廟」

ガッラ・プラチーディア廟
(ガッラ・プラチーディア廟
とっても小さい建物。やはり煉瓦作り。)
サン・ヴィターレ教会の敷地内にあるこの廟は、5世紀に西ローマ帝国を支配していたの皇帝の妹ガッラ・プラチーディアのお墓だということです。

とても小さなこの十字形の建物の中に入ると、外観からは想像できない世界が広がっています。十字がクロスした真中にあたるところがドームになっており、ここに十字架で表されたイエスとその周囲に星空のような模様が一面にあります。廟内は薄暗いのですが、モザイクに使われた金やその他の装飾が微妙に反射しあってキラキラしていました。



ただ、少しの隙も許さないと言わんばかりにギチギチと施されたモザイクに、多少の息苦しさも…。
(ドームのモザイク画。イエスと星空。) (ドーム部分以外のモザイク画。1つ1つはほんとに素晴らしい!)

サンタ・ポッリナ-レ・ヌオ-ヴォ聖堂
(東方の三賢者と22人の聖女達が聖母子に貢ぎ物を捧げる図)
サンタ・ポッリナ-レ・ヌオ-ヴォ聖堂は、6世紀半ばゴート族の王によって建てられた王宮教会です。
モザイク画は、 身廊の左右の柱の上壁にあります。

人物の表現に圧倒されました。モザイクの技法でこんなに真に迫る表現ができるなんて、知りませんでした。
ラヴェンナで見たモザイクは、石を砕いて貼付けていく手法がそうさせるのか分かりませんが、表現にまったく淀みを感じませんでした。 どれも力強く、また大らかで素朴だけど、人物がどれも厳しい顔つきだったことが印象的でした。
(貢ぎ物を手にした26人の殉教者がテオドリック王の宮殿からキリストのもとに向かう図) (左写真のアップ。)


2004.10/1~14 絵と写真、文:吉田葉子